これ(!)と決めた機器の潜在能力を引き出すこと、オーディオファイルの愉しみの1つといえます。特にハイエンド機器の魅力はその期待値の大きさにあるといえるのかも知れません。例えば空間の広さや高さを再現する3次元情報の再生は大きなテーマ。それはホールトーンの拡がり方や高さ方向に抜けて行く音を如何に豊饒かつ精緻な再生ができるか、という命題となります。そしてその情報は極めて微細で精妙な信号であるため再生には特に軽量でハイスピードなダイヤフラムが必要となります。あるいはまた深々とうごめく低音の再生には大口径ウーファーや大型電源部を擁する大出力アンプが想起されます。スタックスが追求してきたエレクトロスタティック・オーディオは、極限ともいえる軽量化を実現する厚さわずか数ミクロンの高分子フィルム製ダイヤフラムを静電気の電圧変化で全面フルレンジ駆動する最も理想に近い再生方式。音楽の微細な変化をそのままロスすることなく、かつ歪を加えることなく空気の振動に変換するのです。レコーディングやディスク制作時のリファレンスモニター機器としてのDNAを継承。ハイスピード&大容量大型パワートランスを搭載してパワフルで楽器の質感や音色を描き切って、しかも鈍重に陥ることなく低音の奔流をダイナミックに再現する能力を実現。凛としてシンプルな新回路構成と環境にも優しい高音質パーツの採用で、さらなる自然な空間再生能力を獲得したスタックス・エレクトロスタティックイヤースピーカー専用ドライバーユニットSRM-323A、誕生。 ───その音、まがうかたなきハイエンド。