オーディオ機器に求められる性能の第一は、どんなに微細な信号をも的確に耳に聴こえる空気の振動=音波に変換する能力です。だとすればまず電気信号→空気振動への変換系であるスピーカーにおいてはその振動体=ダイヤフラムは可能な限り軽量であることが必須条件。点駆動では避けられない分割振動も全面駆動を可能とすれば極少化も可能です。さらにヘッドフォン形式を採れば駆動すべき空気の質量も小さく、より理想的です。そんな理想に最も近い方式がエレクトロスタティック(コンデンサー)型です。スタックスではこれをあえて“イヤースピーカー”と呼称しその理想形を追求してきました。また駆動には専用ユニットが必要となることからその開発は同時に電気信号系の高音質化への追求をも意味するものでした。エレクトロスタティック型スピーカーの駆動にはマッチングトランス方式とアンプ方式があり、アンプでは半導体もしくは真空管による回路構築が可能です。電気信号系もまた回路構成、パーツなどにより音質が多彩に変化することは周知の事実。いづれを選択するか。さらにはオーディオの宿命として音決めの際に問われる音楽性という要素も加わってきます。ドライブ段を半導体出力とする新製品SRM-727Aは、スタックス・ドライバーユニット史上初めての出力段無帰還(NON-NFB)回路を開発、搭載。大電流エミッターフォロワー・Aクラス出力段のピュアバランス・DCアンプ構成。特に高域のダイナミックレンジの大幅な拡張を実現。ローノイズFET入力段とのシンプルな2段増幅回路により音の純度が高く、類い希な解像度と自然な開放感、強力な電源部に支えられた量感・質感表現など新境地を拓くドライバーユニット、誕生です。